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薬になる植物を勉強しよう!
珍しい草花が観察できる東京薬用植物園

植物園にはいったことがあっても、薬用植物園には行ったことがないという方も多いのではないでしょうか。ここ小平市には、全国でも珍しいケシの栽培を行っている薬用植物園があります。夏休みの自由研究に迷っているお子様や、他とは違うちょっと個性的なレジャーを探している人にも、オススメのスポットです。

オールシーズン見ごろのお役立ち植物!

西武拝島線の東大和市駅を降りて徒歩2分にある東京都薬用植物園は、31,398㎡の敷地に約1,600種類もの薬効植物を展示している植物園です。オープンしたのは昭和21年(1946年)で、薬務行政の一つとして、薬用植物を収集、栽培する目的で建てられました。薬用植物や有毒植物・ハーブ、染料になる植物や絶滅危惧植物などを集めたり、どの植物にどんな薬効があるのかを確かめたり、危険薬物への注意をうながしたり、健康食品の使用法を指導するなど、人々に役立つ薬草の研究栽培が行われています。一見ちょっとマニアックな植物園なのかな?と思ってしまいそうですが、行ってみると身近な植物の意外な魅力を知ることができて、みんなで楽しめる施設です。広い敷地の中には、ふれあいガーデン、ロックガーデン、染料香料植物区、漢方薬原料植物区、水生植物区など、エリア別の栽培スペースが設けられており、一般の人々に開放されています。普段の生活で目にできないような貴重な植物も多数観賞できるにも関わらず、入場料はなんと無料!さらに、園内には「花咲案内人」と呼ばれるガイドボランティアが活動しており、来園者に見ごろの花のガイドや、園内の案内までしてくれます。黄色い腕章が目印なので、園内で見かけたら声をかけて、いろいろ質問してみましょう。花咲案内人が活動している日は、毎週 水、木、金、土、日曜日及び祝祭日の開園時間内になりますので案内を希望される方は活動している時間に来園することをオススメします。(※ただし、4・5月は月、火曜日の開園時間内も活動しています。)

園内は、ほぼオールシーズ植物が見ごろを向かえているのでいつでも楽しめますが、最も多くの品種が見ごろを迎えるのは6月~10月です。生薬にも毒にもなる可憐なアミガサユリ、お酒の前に飲むことでも知られるウコンや、庭花としても人気のヤエチョウセンアサガオ、ヒガンバナ、センニチソウなども、この時期に見ごろを迎えます。薬用植物といっても花や果実は華やかなものも多く、可憐な花を鑑賞しながら薬用植物についても学べるので一石二鳥ですね。

見て学んで遊んで買って!楽しみ方いろいろ

東京薬用植物園は、都内でも珍しく麻薬成分のあるケシも観賞できます。ケシは観賞用の品種と、麻薬の成分が含まれる品種はまったく別の種類です。観賞用のケシは一般的なお花屋さんでも売られていますが、麻薬成分が含まれる品種は一般での栽培は禁止されており、私たちが目にする機会はありません。こちらでは研究や危険性の啓蒙のために観賞が許可されており、貴重なケシを見ることができます。ケシが見頃を迎えるのは、5月頃。有害なはずのケシの花ですが、その色や形はとても繊細で華やか。白や紫、赤やピンクなど色とりどりのケシを見ていると、とても毒性のある植物とは思えず、時間を忘れてうっとりとしてしまいます。もちろんこうした危険な植物は見て楽しむだけではなく、正確な知識も身につけることができます。ケシ・アサ試験区では、観賞用のものと麻薬用の栽培種の見分け方を解説しており、また、山菜採りシーズンに合せて山菜と間違えやすい有毒植物の見分け方も指導しています。せっかくこの植物園で山菜に興味を持っても、知識のないまま山菜採りなどで毒性のある植物を口にしてしまったら、危ないです。安心して野山で遊べるように、ここでしっかりと勉強してから行くのがいいかもしれません。

ふれあいガーデンでは四季折々の花々をより間近で観賞できます。凛と立つスイセン、ピンクの大輪を咲かせるシャクヤクや、ハーブティーの原料としても知られるカミツレ(カモミール)、など、お花屋さんでも人気の花々をじっくり楽しめます。また、ふれあいガーデン内には草星舎という施設があり、ナチュラルリース作りや染料体験など植物を使ったクラフトのワークショップや、薬膳やハーブに親しむための教室などが行われています。こちらは有料ですが、参加費は一回数百円がほとんどなので、格安でさまざまな趣味が楽しめます。子供と一緒に参加してもいいですし、仲間たちと参加して、ワイワイ盛り上がりながら体験するのも楽しそうですね。また、クラフトグッズや書籍、果汁100%のジュースや天然酵母の手作りパン、韃靼そば茶やハーブティーなど健康的な食品の販売もしています。自然食品店でしか手に入らないものも多く、お土産として家族やお友達に贈っても、きっと喜ばれるのではないでしょうか。

<DATA>
草星舎(http://www.fureai-garden.net/)
営業時間:【10~3月】午前9時~午後4時、【4~9月】午前9時~午後4時30分

薬用植物ときくと難しそうですが、見て、学んで、遊んで、買って、といろいろな楽しみ方ができる、身近な存在なのです。薬用植物の意外な魅力を知れば、ピクニックや山歩きにも新しい楽しみがひとつ増えて、もっとワクワクした気持ちで参加できそうですね。こんどの休みにぜひ、ご家族でおでかけしてみてください。

<DATA>
東京都薬用植物園(http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_iyaku/plant/kaienbi-kyuenbi/
〒187-0033 東京都小平市中島町21−1
電話:042−341−0344
アクセス:西武拝島線東大和市駅下車徒歩2分
JR立川駅北口から西武バス南街方面行で(6-8番 乗場)
(※都立薬用植物園前下車駐車スペースに限りがありますので、公共交通機関をご利用ください。)
営業時間:4月〜9月 午前9時から午後4時30分まで
          10月〜3月 午前9時から午後4時まで
定休日:毎週月曜日・年末年始(12月29日〜1月3日)