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川のせせらぎを聞きながら
玉川上水でゆったりお散歩!

東京にありながら豊かな自然に恵まれている、小平市。「玉川上水」は、そんな小平市の中でも特に人気のあるネイチャースポットです。江戸時代に公共の水道施設として作られた人工河にもかかわらず、周囲には木漏れ日がきらめき、野鳥が降り立つ、癒やしの散歩道になっています。そんな玉川上水について、今回ご紹介致します。

江戸時代から続く歴史ある自然豊かな緑道

玉川上水は承応2年(1653年)、江戸華やかなりし頃に築かれた水道です。上水は羽村市の多摩川水源から現在の四谷まで全長43kmに及びました。施工を指揮したのは玉川庄右衛門、玉川清右衛門という兄弟。水源候補が二転三転したという大変な工事を無事やり遂げたということで、江戸幕府から「玉川」の姓を授かることになったと言われています。小平市周辺は、当時飲み水が乏しいエリアでした。玉川上水が開通したことによって人口が増え、町の発展へとつながったことを考えると、小平の町と玉川上水はきってもきれない関係なのです。近代になり、玉川上水は杉並区~福生市まで約24kmの河岸が整備され、昭和56年(1981年)には都立公園「玉川上水緑道」として開園されました。植栽も施され、クヌギ、ケヤキ、サクラなどの樹木や、ウメやツバキ、アザミやリンドウなど季節の草花が生い茂っています。昭和61年(1986年)には清流復活事業により一時途絶えていた水流も蘇り、水生生物たちが棲む清らかな水辺となりました。また、ヒヨドリ、コゲラ、ルリビタキ、カワセミなど多くの野鳥たちが多く訪れており、、川岸を歩く人々に可愛いさえずりを届けてくれるようになりました。平成11年(1999年)には都の歴史環境保全地域に、平成15年(2003年)には国の史跡にも指定された、都内有数の水源の名所です。緑道では、休日・平日を問わず多くの人々が安らぎの時間を過ごしています。仲間たちと散策するもよし、家族でウォーキングするもよし、植物の観察やバードウォッチングなどの趣味に没頭しても楽しそうです。都心からほど近い場所で、豊かな自然を満喫できる希少な環境を守り続けるために、2012年から「玉川上水サミット」を開催しています。公民館で環境保全の専門家を呼んで会議をしたり、玉川上水オープンギャラリーで展示を開催したりなど、未来の子供たちにも美しい玉川上水を後世に長く残せるようにと、日々地道な活動を続けています。

玉川上水のほとりを歩いてみよう!

小平市内には、玉川上水に沿ってふと訪れたくなる散策スポットが連なっています。今回は、そのうちのいくつかをご紹介しましょう。

<小平グリーンロード>

西武新宿線小平駅のすぐそばに通る小平グリーンロードは、自然を楽しみながら小平を一周できる遊歩道です。全長約21kmのうち、玉川上水は約8kmに及びます。その道程には、じょうすいこばし放流口、新堀用水、中央公園など自然あふれる風景が点在するほか、玉川上水の草花や野鳥の写真を展示した玉川上水オープンギャラリーや、小平に自生する野草を保護する野草観察ゾーンなど、玉川上水にまつわる施設や観察スポットもあります。

<じょうすいこばし>

西武拝島線玉川上水駅から徒歩約20分の『じょうすいこばし』は、中島町1丁目にある小さな橋。昭和61年(1986年)に水流が復活したことを記念して、ゆったりと流れる川を眺めて楽しむために作られました。緑道からつながる石畳を歩いていくと小さな柵があり、その向こうを清らかな水が流れています。川の両サイドには草木が生い茂り、そびえる樹木が川面に木漏れ日を落とす、詩のような情景が広がっています。柵は前方のみなので、小さなお子さんを連れて行くときにはしっかり手を繋いであげると安心です。

<つつじ公園>

上水南町にある『つつじ公園』は玉川上水から南に約4分、西武多摩湖線の一橋学園駅から約23分のところにあります。園内には玉川上水を思わせる池と水流があり、その周りを約1500株ものツツジが囲むように植えられています。池にはカルガモが降り立ち、亀や鯉が泳ぐ爽やかな環境です。春から初夏にかけてルメツツジ、リュウキュウツツジ、オオムラサキツツジなど何種類ものツツジが咲き乱れ、ピンクや紫など華やかな色で公園内が埋め尽くされます。また、川と池にはザリガニや魚も生息しており、釣りを楽しむことも。お子様向けの遊具も揃っているので、ぜひご家族で訪れてみてください。

<小金井桜>

国の名勝指定も受けた『小金井桜』は、玉川上水エリアで最も有名なスポットと言われています。小金井橋を中心に、小平市学園西町1丁目商大橋付近から武蔵野市境橋付近まで約6km続く桜並木です。元文2年(1737年)に徳川吉宗が約2千本の桜を植えたことが始まりだと言われていますが、現存する約786本の桜は、その時代から数えて4代目となるそうです。かつては関東随一と呼ばれていた名高い名所で、あの歌川広重も絵の題材にした事で有名です。明治16(1883)年には、明治天皇もこの地を訪れており、そのときを記念して植えられた『行幸松』は現在も残されています。満開になった薄いピンクの花が咲き誇り、車道に影を落とす風景を眺めていると、春気分が一層盛り上がります。

ほかにもまだまだ玉川上水には、瑞々しく爽やかな美景スポットがたくさんあります。カメラ片手に、あるいはお弁当を携えて、ご家族で気軽にお出かけしてみませんか?日常を忘れて、素敵な時間を過ごせるかもしれません。